研究概要

これまで、センター長及び研究員が所属する広島大学 疫学・疾病制御学研究室では肝炎・肝癌の血清疫学・理論疫学研究を通じて、ナショナルデータベース(NDB)、レセプトデータ(JMDC)や大規模コホートデータ(供血者集団、住民検診受診者集団、職域検診受診者集団、透析患者集団、肝疾患患者集団)、国際共同大規模疫学調査集団データを用いた数理疫学的解析や肝炎・肝癌対策の医療政策的・医療経済学的評価を行ってきました。また、肝炎・肝癌以外にも一般住民集団、献血者集団、原爆被爆者集団、透析患者集団のデータを用いたリスク解析、将来推計、シミュレーション、政策効果やリスク指標の開発、学内外共同研究における臨床研究データ解析等を行ってきました。これらは、従来の統計科学・データ解析の範疇にとどまらず、疫学、理論疫学、血清疫学、臨床疫学、ウイルス学、ゲノム科学、数理統計、データ科学、アルゴリズム、プログラミング、政策科学など、多分野融合により行うことが可能になります。

これらの経験を活かし、疫学&データ解析新領域プロジェクト研究センターでは、疫学、理論疫学、血清疫学、臨床疫学、分子血清疫学とNDB(National Data Base)に代表されるレセプト(診療報酬明細書)や特定健診などの医療ビックデータの解析、AIの活用によりビッグデータに埋もれている仮説の抽出を融合することにより、疫学・データ解析の新領域における研究を行います。また、レセプト(診療報酬明細書)の解析には、その妥当性が重要となるが、当センターではバリデーション研究をあわせて行います。

疫学、医療ビックデータ解析、AIの活用の融合により、以下が期待されています。

  • 様々な疾患と解析因子の関係の調査
  • 解析結果による将来患者数の推計
  • 新たな研究のSEEDSの発見
  • 医療政策や医療経済の方向性を導き出す
  • レセプト解析とその妥当性のバリデーションの方策